今なぜ心理学を学ぶのか?
この心理学講座は、心理の専門家ではなく、一般の方に向けた講座です。
ここでいう「心理学」とは、人間の心の仕組みを研究し解明していく「基礎心理学」(例えば、学習心理学や発達心理学など)と、生活の中で具体的に活用することを目的とした「応用心理学」(例えば、臨床心理学や産業心理学)のことを指します。
心理学というと、心理士(師)など限られた職業の方が使う難しいもの、あるいは逆に、相手の心を操る技術、のような良くない印象をおもちの方もいるかもしれません。
でも実は、心理学は日常生活のあらゆる場面で役に立ちます。心理学を学ぶことを通して、自分自身の“見える世界”や“感じる世界”の解像度が増し、色々な立場からの物事を見られるようになって、そのことが日常に変化をもたらすのです。
こころの形を学ぶ
ではいったい、「こころ」って何でしょうか?
「どうしてあんなことを言うのだろう?」
「こんなひどいことをするなんて、信じられない!!」
「本当は私のことをどう思ってるの?」
そんな風に、誰かの心の中が分からなくて悶々としたり、
「やらなきゃいけないことがあるのに、手がつかない!」
「何だかいつも不安で、焦ってばかり…」
「私はいったい、何がしたいのだろう?」
と、自分自身の心さえわからなくて、鬱々としてしまったり。
ほんとうに、悩みは尽きません。
目に見えない「こころ」を、どうやって見ていくのだろう?
「心理学」にはさまざまな理論があります。それは、多くの先人たちが試行錯誤しながら、心の見方を探してきたということです。
心を自分の内側(無意識)に見出していくこともあれば、人と人との関係性の中に見たり、脳の機能や神経、社会構造から見ていくこともあります。
講座では、いくつかのの理論も紹介しながら、心に起こる症状と考えられる背景、広くは、それが生み出される社会や歴史まで学んでいきます。
ものの見方を手に入れる
また、人間はどんな状況で心のバランスを崩すのか、心が成長するためには何が必要なのか、そんなことを学ぶことができるのも「心理学」の特徴です。
だからといって、
心理学は「答え(正解)」を見つけるものではありません。
知識や理論というのは、一般化(または抽象化、平均化)された情報であり、知識を得たからといって、今目の前で悩んだり苦しんだりしている人に何かできるというわけではないからです。
ただし、心理学の知識をもつことで、そこで何をしてみれば良いか、何はしてはいけないか、といった指針を持つことはできます。
もうひとつ、
心理学を学ぶ=「人のこころが全てわかる」ではありません。
ましてや、誰かをジャッジしたり、レッテルを貼ったりするものでもありません。
心理学という方法で心を見てみるとこう見えるね、ということです。
つまり、「ものの見方を手に入れる」ということ。
相手には世界がどう見えているのか、
相手は何を大切にしているのか、
相手の行動は、どんな背景や信念からきているものなのか、
といった、別の視点から物事を見る力を育ててくれます。
自分の視点を超えて、他者の存在に触れることができるようになります。
心をケアする
このように、心理学講座では、単に知識を得るにとどまらず、出来事や物事を「洞察する力」と、自分自身を「内省する力」を身につけることを目指していきます。
幾つもの事例(特定のケースではなく、いくつかの同じような実例を混ぜた架空の事例です)を紹介することで、自分にも関係があるという意識が高まり、興味や主体性を持って学ぶことができます。
「鳥の目」、「虫の目」、「人の目」、というように、幾つもの階層を行ったりきたりできるようになってくると、心にスペース(余裕)ができるようになります。
自己と他者への理解が進むことで、わき起こるネガティブな感情を排除するのではなく、自分の内側にホールドできるようになったり、対人関係や仕事での問題を解決していく力がついてきたりします。
それはまた、他者の心をケアする力にもつながります。
心理学講座で得られるもの
良好な人間関係を築くためのヒントが得られる
気になっていた夫婦・親子関係を見直す機会になる
自分のことを考える時間が増える
問題を抱えている方や、その周りの人を支援する手がかりが得られる
現場で実際に役に立つ支援ができるような知識が得られる
(注:その知識は実践を通して鍛えられます)
様々な心理療法やカウンセリングを知り、基本を理解することができる
難しそうな心理学の専門書が読みやすくなる
学びが広がる
心理学や心の病気についての学びは、なかなか一朝一夕に理解できるものではありません。、ひとつの状態を様々な角度から見てみたり、体系的に学ぶことで、ようやくこころの輪郭が立体的に見えてくるのです。
心理学講座では、学びの段階や目的に合わせたいくつかのコースをご用意しています。
①こころのレッスン~はじめての心理学講座~
②オンライン心理学講座【基礎】
③コンパッション8週間トレーニング
最後にもうひとつ、「心理学」を学ぶことで得られるものがあります。
心理学を学んでも、心は、さらに広く深く複雑で、捕まえることなどできない。だから、もっと心を知りたくなって、哲学や文学や歴史や、私たちが今生きている世界など、あらゆる学びに興味が波及していきます。
学生時代にはあまり興味が持てず、勉強する意味がわからなかった人も、様々な経験を積んで大人になった今だからこそ、その面白さを感じることができたりします。
心は目に見えない。
それでも心は、つながり、離れ、傷つき、癒され、そこにある。
だからこそ、おもしろい。
ぜひ、一緒に学んでみませんか?