2020-02-27
うつ病 その③「うつとカウンセリング」
なぜ、「うつ」は起きるのか
うつ病の症状がもっとも重い時期には、家事ができなくなったり、外出がおっくうになったりと、動けなくて苦しい思いをすることもあります。この「うつ」はなぜおきるのでしょうか?
うつ病の原因としては、
・ストレス(人間関係のトラブル、家庭内不和、近親者との死別・離別など)
・環境の変化(昇進、降格、結婚、出産、引越など)
・からだの要因(慢性的な疲労、脳血管障害、ホルモンバランス、 病気など)
・否定的な思考パターン(ゼロか100か、すべて自分の責任だ、など)
・脳の神経伝達物質の働き(セロトニン、ノルアドレナリンの減少)
などが考えらます。
どれかひとつというより、これらの状態が重なることによって発症しやすくなります。
うつ病になりやすい人の特徴は「自分に厳しい人」です。
「人に迷惑をかけてはいけない」「黙って耐えなければいけない」と、自分の許容量を超えてがんばりすぎたり、ストレスをため込み、心のバランスを崩してしまいます。
責任感・義務感が強く、完璧主義、几帳面なところもあります。
(なので、仕事の質は高いのですが、量がこなせなかったりします)
「気持ち」を無視して我慢するため、それが体調不良として現れることもあります。
もともとがんばりやさんなので、気持ちを無視していることに気づいていないことが多いです。
うつになったらどうすればいい?
うつの治療には、
・十分な休養(生活リズムの改善)
・薬による治療
・ECT(電気けいれん療法)
・心理療法(セラピー)
などがあります。
薬による治療やECTは、医療機関における精神科の専門となります。
「うつ病かな?」とか「精神科にかかった方がいいかな?」と迷われた場合には、地域の保健師さんに相談してみるのもいいですよ。※保健師さんは電話や面接のほか、必要に応じて訪問も行なっています。また、こころの不調による症状の解決や再発予防には、お薬だけの治療では難しいことがあります。
うつに至った経緯・背景に、心理的な問題や物事の考え方、行動パターンなどが影響している時には、カウンセリングや心理療法(心理セラピー)で働きかけていくことも必要なプロセスです。
うつとカウンセリング
うつの回復には「体の休養」とともに「心の休養」が大事になります。
しかし、「うつ」になる人の多くは「何かをしていなければいけない」、「休むことは罪だ」と考えてしまうため、なかなか休めません。「役に立っていない自分」を責めてしまい、心が休まらないのです。
うつのカウンセリングでは、「否定的な思考パターン」を「より柔軟な思考パターン」へと変化させていくためのアプローチをしたり、
ご本人が抱えている悩みを共有し、一緒に考えたり整理しながら、自己理解を深め、自分らしく生きていくためのサポートが行われます。
当相談室のカウンセリングでは、こころの中に渦巻いているネガティブな気持ちや、焦り、違和感を、ゆっくりとした時間と空間の中で言葉にしていきます。
背景に心理的な問題(家族関係のもつれ、トラウマ、罪悪感など)が強く関わっている場合には、それぞれに適したセラピー(心理療法)を用いながら、心の癒しと成長を促していきます。
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