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見捨てられ不安・大人の愛着・家族関係の悩みをサポ―トする民間の女性専門カウンセリングルームです。心理セラピー/ファミリー・コンステレーション/原始反射統合/催眠療法
2020-06-09

【ご相談】転職を繰り返してしまう

東京の街にだいぶ動きが戻ってきました。

家庭菜園やってみよう!と種をまいたゴーヤやナスも、
葉っぱが大きくなりスクスクと育っています。

この約2ヶ月に渡る自粛生活の中で、自分と仕事の関係について改めて考えた方も多いと思いのではないでしょうか。

カウンセリングでは、「転職を繰り返してしまう自分をなんとかしたい」といったご相談を伺うことが結構あります。

人間関係がうまくいかない
職場でいじめを受けている
やりたい仕事ではない
ちゃんと評価されていない
こんなはずじゃなかった

「もう無理!」と転職をしてみたものの、新しい職場でもまた同じ状況におちいり、再び転職を繰り返してしまう。この「負の連鎖」をどうにかしたい。

精神科に通い、安定剤を飲みながら、だましだまし職場に通われている方もいます。

いったい何が起きているのでしょう?

フラストレーションの要因となるもの

転職に至る原因は、何かひとつというより、いくつか積み重なっていることが多いです。

職場には色々なタイプの人がいるし、仕事のやりがいや職場環境、待遇などもありますよね。

仕事が続かない理由を「私が弱いから」と責める方もいらっしゃいますが、むしろ、カウンセリングに来られる方はぼぼみなさん、頑張り屋さんです。

ただ、いつも同じパターンが繰り返されるとしたら、自分の中に何か課題があるのかもしれません

例えば、

他人をコントロールしたがる欲求が強いと、そのコントロール欲が満たされなかった時には、相手に過剰な怒りをかんじてしまいます。(そのコントロール欲の根本には「恐れ」が隠れています)

「どこに行っても嫌な上司がいる」という場合には、自分と親との間にまだ解消されていない問題があって、上司に自分の親を無意識に重ね合わせ、感情が反応してしまっているかもしれません。

また、感覚が敏感すぎてしまう人は、色々な情報を感じ取ってしまうことで、仕事そのものに加え、人とのコミュニケーションに多大なエネルギーを使い疲弊してしまいます。

私もこれまで、3回の転職を経験しました。

振り返って、当時の心境を思い出してみると、

「やりたいことがあります!」とか「新しい世界を知りたい!」といった未来に向かう前向きな気持ちや、「このままここにいては良くないな」という直感などがあった一方で、

「もうこの仕事したくない」とか、「このままではまわりに先を越され、自分の居場所がなくなってしまう」といったような、ネガティブな要素もありました。

自分の至らなさを、会社や上司のダメさに転嫁して、つまり、相手の価値を下げることで、なんとか自分のプライドを保ったりしたこともあります。

自分が弱いというより、「弱さを見せられない」ことで行き詰まったのでした。

 

「完璧」じゃなければ「失敗」

転職を繰り返す大きな要因のひとつに、「完璧主義」があります。

完璧主義の人は、自分にも、他人にも、職場にも高い理想をもっているので、できていない部分に目が向きやすく、それがストレスになります。

責任感が強いので妥協できず、かといって人に頼ることも苦手なので、ひとりで背負いすぎて潰れてしまいます。

「完璧」でなければ「失敗」という二極思考から、失敗を極度に恐れ、途中で投げ出してしまうこともあります。

また、自己評価が極端に高い場合も、周囲の人との間に軋轢が生じて、働きづらくなったりします。
「こんなことをするために働いているんじゃない」とか「もっと高く評価されるべきなのに」と不満が強まります。

完璧な人がいないのと同じで、完璧な職場もありません。

頭ではわかるのだけど、抜け出せない。

なぜなら、、、

「完璧でなければ、私には価値がない」という信念(ビリーフ)をギュッと握っているからです。

これは、「無価値観」という感覚につながっています。

身にまとう鎧と、からっぽな内側

無価値観とは、字のごとく「私には価値がない」という感覚です。

「〇〇ができる私には価値がある」というのは、裏返せば、「〇〇ができない私には価値がない」なのです。

誰だって自分に価値がないとは感じたくないので、成果を求めるようになります。

自分の価値を証明するために、人より優れようとがんばってしまう。
何かができなければ、人より上じゃなければ、ここにいられない。

だから、外からの評価が気になるし、
他人を見るときには、自分より上か下かで見てしまう。

そして心の奥ではいつも、不安と強い焦りを感じています。

この無価値観を感じないように、人は様々な「できる自分」「大丈夫な自分」という鎧を身につけていくのですが、

そうやって、外側の自分の鎧を固めれば固めるほど、空っぽな内側とのギャップが苦しくなります

自分がいったい誰なのかさえ、わからなくなってしまいます。

カウンセリングでできること

「何かができなければ自分には価値がない」

でもその信念は本当でしょうか?

そして、なぜそう思うに至ったのでしょうか?

カウンセリングでは、「他人と過去は変えられない」というところからスタートします。

「あの人さえ変われば、私は幸せになれるのに」という時には、自分の人生の主導権を外側の誰かに委ねている状態なので、楽にならないからです。

完璧主義を緩め、無価値観に直面していくには、まずはそこに気づき、自分自身を受け入れていくことからはじめます。

そして、少しずつ鎧を脱いで、脱いでも(弱さや痛みに触れても)大丈夫なんだという安心感を積み上げていきます。(一気に脱ごうとすると、逆に抵抗が強まってしまうので、ゆっくりと)

そうやって、「自己価値」を適切な位置に戻していくことが大切になります。

等身大の自分です。

そのままの自分で「わたしはここにいていいのだ」って感じられること。

人間関係のこじれは、お互いの誤解から生じることも多いので、カウンセリングを通して自分を知ることで、相手の見え方が変わることがあります。関係は変わらなくても、相手の言動に反応しなくてすむようになったり。

「何ができてもできなくても私には価値がある」

そんな感覚を、もしわずかでも感じられたら、世の中の見え方さえ変わるかもしれません。

その上で、あらためて自分の人生と向き合い、転職するかどうかを決めていくのもいいと思います。

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